第4回目のインタビューは、舞台監督の下東尚皓です!
インタビュー中でも触れられていますが、公演全体を取りまとめる役割である舞台監督に様々な質問をぶつけました。
―― よろしくお願いします。まず、今回舞台監督を務めてらっしゃいますが、具体的にどのようなことをやっているのでしょうか?
下東 舞台監督は、簡単に言うと「全ての責任者」です。役者のことは演出が責任を持つのではないかと思う方もいらっしゃるかもしれませんが、役者が舞台上で何か起こした場合も舞台監督の責任です。そういった公演全体の責任者であり、もう少し細かくいうのであれば、主にスタッフ間のやりとりの仲介のようなことを中心にやっています。
―― 舞台美術や音響や宣伝美術など様々な分野のスタッフがありますから、「仲介」と一口に言っても様々な課題などがあり大変なのではないかと思いますが、やっていて難しかったことはありますか?
下東 今回は演出が明確なイメージを1本持ってやるタイプというよりは皆の意見を流動的に受け入れて良いものを目指していくタイプの人だったので、「何がしたいのか」というところからアプローチをかけるのが大変でした。各セクションと演出のやりとりはしっかりしていて、各セクションのやりたいことは明確だったんですが、それぞれの向いている方向が微妙に違っていたんです。その噛み合っていなかったものを軌道修正していくことが大変でしたね。
―― インタビュー2で舞台美術チーフの福井君が「様々なセクションの調和を見てほしい」と見どころを語ってくれたのですが、チーフが自信を持ってそう言えるくらいしっかりとした仲介ができたということですね。
下東 例えば舞台美術に関して言うならば、サブに4年生が多くいます。彼らが、初めてチーフを務めている福井君をフォローしてくれているんです。他の音響や照明といったセクションも、あるセクションのチーフは既に経験豊富な人だったり、違うセクションのチーフは頻繁に現状報告や疑問など様々な連絡をくれる人だったり、そういう様々な人の助けを借りながら連携を取っています。
―― 仲介役とはいえ、色々な人の協力があってこそなんですね。
下東 そうですね。公演に対して、マクロな面は自分が見ていますが、ミクロな面までは1人では見きれないので、そういう手の届かないところはたくさん助けてもらっています。
―― 話が変わりますが、舞台監督としてCHERRYのお客様にこういうところを見てほしいというポイントがあれば是非教えてください。
下東 単に、楽しんでほしい。特に「ここを見てほしい」というものは無いですね。私がこれまで音響を中心にやってきた人で、作品に音が溶け込むことに腐心した経験があることもあって、音響や照明や舞台美術といった全てが融合して上手く溶け込んだ作品になってほしいという思いです。だから、どこを見てほしいというよりは素直に楽しんでほしいんです。実際に観ていただいた際に悪目立ちしてしまっているとお客様が感じられたところがあれば申し訳ありません、と。出来る限りのことはやっているつもりなので、期待してほしいです。
―― 最後に、CHERRYにいらっしゃるお客様にメッセージがあればお願いします。
下東 今回は団体として、STEPS Musical Companyとして、いつもとはちょっと違う色を出そうとしている公演と言えます。その分、粗い部分はあるかもしれませんが、今まで通りではない違うジャンルもできるんだという新しい試みができているのではないかと感じています。そういうことも含めて、今回は今後団体としてどうやって成長していくかということも視野に入れて作ってきたつもりです。
―― さすが、元STEPS代表(※2代前の代表が下東でした)ですね!
下東 なので、純粋に公演を楽しんでいただきたいということに加え、今後のSTEPSの成長にも是非目を向けていただけたら嬉しいです。
―― 非常にマクロな視点でのコメントですね! ありがとうございました。
下東 代表はマクロな視点で団体のことを考えないといけないからね(笑)